こんにちは。
はなアンニャー(@hanadeso3)です。
与論島に移住してきたときは、病院薬剤師として働いていましたが2018年12月より、オーシャンマーケットで病院でもらえるのではなく、市販の一般用医薬品の販売をする薬剤師に転職しました。
ちょっとした体調不良、二日酔いなどのときはぜひオーシャンマーケットに来てくださいね!
今回は、離島での薬剤師に仕事について書きたいと思います。
目次
薬剤師の就職先はどこ?
薬剤師の仕事場は、主に病院や調剤薬局です。ほかにも、輸血を扱う血液センターや、製薬会社、大学、バイオな研究所などで働くひともいます。
わたしは、病院でしか働いたことないので研究所とかはおもしろそうで興味あります。こう見えて?大学時代はねずみさんで実験しまくってました。
じつは、『科捜研の女』に出てくる科捜研こと、科学捜査研究所の試験受けたこともあります。
わたしは、元々ひとと関わるのが苦手だったので、病院なんぞで働く自信がなかったし、親戚のおじちゃんに警察のひとがいて、科捜研かっこいいなと憧れていました。が、見事に不合格。
だって、完全なる筆記試験だったので。マークシートなら、万が一奇跡が起きたかもしれなかったのに・・・
まぁ、合格していたら、今頃与論島にはいなかったかもしれません。
調剤薬局や病院の薬剤師のお仕事は、お医者さんが出した処方箋に基づいて調剤します。
調剤というのは、処方箋の内容が適正であるか確認して、指示された薬を調整してから患者さんにお医者さんの指示通りに正しく使うように説明して、お薬を渡すことです。
調剤薬局では外来患者さん、病院では入院患者さんごとのお薬の記録をとるのも大切な仕事です。
大きな病院では、クリーンルームという完全滅菌された部屋で、抗がん剤の調整をしたりもします。
病院もですが、調剤薬局では、お薬の情報の提供が主な仕事になります。
製薬会社や研究所での薬剤師の仕事は、新しい薬の研究や開発、実験が主な仕事です。
また、製薬会社には、病院のお医者さんにお薬の詳しい説明をするために、はるばる与論島まで来てくれます。言い方を変えると、自分の会社のお薬の宣伝をしにきます。
他にもお薬の卸会社さんにも薬剤師がいます。
と、ざっとこんなもんです。
昔は大学に4年行けばよかったのに、今は6年も行かないと国家試験受けられないなんて、きつすぎる・・・・
今なら絶対、薬学部になんか行かんと思います。とゆーか、行かせてもらえない。
試験恐怖症です。国家試験の後は夢でもうなされるくらいでした・・・
今は、正直受かる気がしない。
離島の薬剤師へ転職でビックリしたこと
山口の病院で働いていたときは、外来患者さんは、病院の外にある調剤薬局でお薬をもらう院外処方とゆーやつだったので、病院の薬剤師の仕事は入院患者さんの薬の調剤や服薬指導(薬をちゃんと飲めるように根気よく説明して、記録を残すこと)が主な仕事でした。
だから、要領よくこなせば、ほぼ残業はなし。残業なしの職場最高!!しかも、夜勤もなかったし、休みもいっぱいあったのです。
地元なので友達もいっぱいおったしなぁ。
病院が繁盛した年は、手渡しの金一封もあって、新人のときはウキウキしました。
でも、与論島に移住してその体制はがらっと変わりました。
離島ならではかもしれません。
離島には調剤薬局がなかった
今は、島にも1件、保険調剤薬局さんができました。
ですが、わたしが働いていた病院は院外処方箋を発行していないので、外来の患者さんの薬もすべて、院内で調剤して院内で患者さんに渡していました。
もちろん、入院患者さんの薬も調剤しなければいけません。
外来が終わるまではひたすら待ってないといけないし、昔はおそいときは夜の10時とか普通にありました。
正直、子育てしながらこの勤務体制はきつすぎました。
院外処方と院内処方の違いで、少し困るのは患者さんです。
病院で処方箋をもらってから、別の場所にある調剤薬局まで行かないといけないからです。
二回、お金払わないといけないし。
沖縄の病院に行けば、どこも院外処方なので、与論島から突然行くと困るようです。
でも、調剤薬局のほうがお薬の説明はがっつりやってもらえるし、きちんと薬歴という患者さんのお薬の服用記録を残してくれるので、何かあったときに対処しやすいです。
処方箋が手書きで読めない
与論島に来たばかりの頃は、処方箋が手書きでした。字が下手くそなお医者さんの処方箋は字が読めなくて、イラつきましたね・・・
今は電子カルテとゆーハイテクになりましたが、今度は使い方がよくわからない。必要最低限しか使い方がわからない。
そして、字が小さくて字が見えないときがあるんですよ・・・この歳ですでに、老眼疑惑を眼科の先生に指摘されてます。
夜になると目が乾いて見えない。コンタクトレンズが落ちる。ドライアイ?ドライアイなの特に冬になると見えずらくてかなわんです。ずっとパソコン見てるのもツライ。
電子カルテは読みやすくていいんですが、いい歳いっていると、使い方をおぼえるのに必死です。
薬は運送屋さんが運んできます
離島には、お薬の卸会社がありません。
なので、ブツ(お薬)を、運送屋さんが病院に配送して、その辺に置いていきます。
内地なら、お薬の卸やさんが直接、病院に運んでくれます。
それを薬局で一緒に検品するから、処理も楽でした。間違っていても、すぐ取り替えてくれます。
正直、自分で検品するのめんどくさいんですよ。でっかい箱に大量にお薬が入ってたら、もうゲンナリする。たまに、発狂するくらい、薬が詰め込みまくられた箱が来て、実際に発狂していました。
急に使いたい新しい薬や、不足になった薬も、内地ではすぐに持ってきてもらえたので患者さんを待たせることはありません。
ですが、離島はそんなことはできないので、少なくとも1日か2日後になってしまうのです。
早くても、翌日の夕方到着。
台風なんかが来たときには、しばらく薬は与論島には来ないんです。薬は、大概フェリーで運ばれてきます。
飛行機は農産物などが優先されるようで、薬は後回しになることもよくあります。
そして、不足分は自分達で配達。与論島じゅうに配達するんです。
離島は、医療は都会ほど便利ではありません。
島で手におえなければ、ドクターヘリで他の場所に搬送されます。
都会のように、なんでもすぐに薬が手に入るわけでもありません。
それでも、そこにあるもので対応できる、それが離島医療だと思います。
ドラマみたいに、突然超名医が現れて、ちゃちゃっと手術するとか、ないです。
離島の病院で薬剤師をして思ったこと
与論島で、病院薬剤師をしていて思ったことは、
島の人は薬を飲みすぎている!!
ということです。
本当に、そんなに薬必要なのか??といつも思っていました。
具合が悪いと、すぐ薬を追加・・・・
その具合が悪いのは何が原因かを探すのがまず先なんじゃないかと。
今頃、薬を減らすように国から言われるようになりましたけど、お年寄りは薬が増えることには抵抗がないのに、薬が減らされることにはすごい不安を感じるようです。
そんなことはないのに、減らされて気分的に体調が悪くなる人もいます。
よく、
「お薬を飲むの忘れた。どうしよう?」
という相談もされました。
若者ほど、きちんと薬を飲みません。仕事があったり、飲み会があったり、薬に慣れてなかったり。若者は気になりません。
が、お年寄りは、たった1回飲むのを忘れただけで不安になります。
もしかして、自分はボケたんじゃないかとさえ思うようです。
まるで、依存症ですよ・・・
そんなときは
と、説明していました。一応、わたしは真剣にそう思ってるから、真面目にそう言ってます。そのひとの性格にもよりますが、飲み忘れるひとは、たいがい安心してくれます。
真面目すぎるひとは、納得できないでしょうが、真面目すぎるひとは、まず、飲み忘れたりしません。
ほんとなら「きちっと飲んでください」と言うのが本来の薬剤師なんだろうけど、そんなん、言えません。自分がいちばん薬ちゃんと飲んでないんだから。
お薬自体が悪いわけじゃないんです。飲んで、もっと大きな病気が予防できるなら、ぜひとも飲んでほしいです。
だけど、結局は、病気になって薬を飲まないですむようにするにはどうしたらいいかが問題。
病気にならず元気に暮らしたい!
島で働いてすごく思いましたが、これからは予防医療です。
薬では病気は治りません。薬は、症状を和らげるだけ。患者さんの自然治癒力を助けるだけ。
薬飲んでるから大丈夫?
飲んでるには理由があります。
まず、その理由をつきとめて改善するほうが、将来的にも大事になってくると思います。
離島医療は、患者さんとの距離が他のところより、近いような気もします。
患者さんは、正直知り合いばかり・・・
ドラマのように私生活まで入り込んだりはしませんが、やっぱり近く感じます。
そして、さすがの田舎、高齢化社会がすごいスピードで進行中です。
100歳以上の元気なひとが多いのにもビックリです。
それを介護する人もまた高齢で・・・
考え始めると、きりがない離島医療の現状ですが、なんとか島民で助け合っていけるといいなって思います。