こんにちは。
はなアンニャー(@hanadeso3)です。
子どもたちが学校から、
『ヨロン島とサンゴ礁』
という興味深い冊子をもらってきました。
今でも、すごくキレイだとみんなが感じている与論島の海でも、昔はもっとキレイだったことを知っておかないといけません。
読みたくても、読めないひともいるかもしれません。
無料の冊子なので、簡単にまとめてみました。
目次
サンゴとサンゴ礁
サンゴは動物か、植物か?
いまいちよく分からないひとも多いかもしれません。
サンゴは、イソギンチャクやクラゲに近い、刺胞動物といわれる生き物です。
毒針がついた触手で、動物プランクトンをつかまえて食べて暮らしています。
サンゴのなかには、褐虫藻という植物プランクトンが住んでいます。
この植物プランクトンが、光合成を行い、サンゴに栄養を与えているのです。
サンゴと植物プランクトンはお互い支え合って生きています。
サンゴには、たくさん種類があって、日本には約400種類のサンゴが存在しています。
サンゴには、枝の形をしたものや、テーブルの形、葉っぱの形などがあり、深い海に住む『宝石サンゴ』や、やわらかい『ソフトコーラル』などの種類があります。
与論島は、まわりをサンゴ礁によって囲まれています。
サンゴ礁というのは、サンゴの骨が長い時間をかけて積み重なって作られた地形のことです。
サンゴは生き物
サンゴ礁は地形
をあらわしているのです。これは自分もよく分かっていなかったことでした。
サンゴは、ひとつひとつのサンゴの個体であるポリプが分かれて増えてくタイプと、卵を産んで増えるタイプの2種類の増え方があります。
サンゴの多くは卵を産んで増えますが、海中で受精した卵は子どもになり、しばらく海を漂ってから、海底に移動し、岩などにくっついて、骨を作り、ポリプをつくります。さらに、そのポリプが分かれて増えることで、サンゴ群体となっていきます。
与論島の暮らしとサンゴ
サンゴ礁には、たくさんの生物が暮らしています。
与論島の生活の場として利用されてきたサンゴ礁には、地形ごとに与論島の方言ユンヌフトゥバが用いられて来ました。
ですが、最近はサンゴ礁も減り、生活も変化してきたことにより、方言がなくなる恐れがあるといわれています。
与論島の北部から南東には、サンゴんおリーフの内側に広く浅い海があります。そこでは、島人が多く漁を行っています。
潮の満ち引きにより、一番潮の引く大潮のときは、リーフまで歩いて行けるほど、水深が浅くなります。
このときは、リーフの近くで釣りをしたり、貝を採ったりします。
現在は、いろいろな環境ストレスによってサンゴが減っています。
今でもじゅうぶんキレイだと思う与論島の海ですが、島の人は口をそろえて、
昔はもっとキレイだった。
と言われます。
サンゴが減ることによって、そこに住む生き物も減っています。
昔は、本当にサンゴがたくさんあったというページを見て驚きました。
潮が引くとサンゴが海面から顔を出していたとか、すごくないですか?
まったく、想像できません・・・・
昔は、地形を利用した追い込み漁も盛んで、今ではとても貴重なイユーガマもたくさん捕れていたようです。
供利港も、今では大きな船着場になっていますが、昔は大きなフェリーに乗るために小さな船で渡してもらっていました。
サンゴ礁のリーフには、足場もないほどたくさんのサンゴがあったそうです。
皆田海岸や大金久海岸にも、昔は本当にたくさんのサンゴがあったのです。
今は、死んでしまったサンゴが海岸に打ち上げられているのをよく見かけますし、それが当たり前のように感じていました。
サンゴ礁へのストレス
サンゴ礁には、サンゴの中で休んだり、産卵場所にしたりする生き物や、小さな生き物を食べに来る大きな生き物など、たくさんの種類の生き物が住んでいます。
これを、『サンゴ礁生態系』といいます。
これは、
・生物多様性
・自然の防波堤
・漁業資源
・観光資源
・教育・研究
など、人間にとって大きな恵をもたらしてくれます。
ですが、サンゴは繊細でストレスに弱い生き物なのです。
ストレスを受けると、サンゴのなかの褐虫藻が減ってしまいます。
そうなると、サンゴの骨がすけて白く見えるように見え、『白化現象』と言われる現象が起こります。
白化現象が起こる原因には
①高水温
②サンゴがオニヒトデなどによって食べられてしまう
③ブラックバンド病などの病気の感染
④赤土の流出
⑤船などに当たって折れてしまう
⑥陸の汚れた水が流れ込む
など、様々なストレスがあります。
与論島はサンゴの骨が積み重なった石灰岩でできている島です。
石灰岩は隙間がたくさんあるので、水が通りやすい性質があります。
また、島は赤土でおおわれているので、大雨が降ると、雨水と一緒に赤土が海に流れ込み、農地の土が失われます。
地下に行った雨水は、地下水となり海に流れていきます。
この地下水には、農業に使われた肥料や畜産の糞尿、家庭排水などが溶け込んでしまっています。
こうして、栄養豊富な水が栄養の少ないサンゴの海に流れていくことになります。
サンゴは、じつは栄養が少ない海に暮らしています。栄養が多くなると、逆にサンゴは死んでしまうのです。
また、人間が作っていらなくなったものが海に流れてしまったものや、それが海岸に流れ着いたものをまとめて、海ごみと呼んでいます。
海ごみはサンゴにつきやすく、釣り糸やロープなどがそれにあたります。
自然にかえるものを使用したり、環境に優しいものを使うことが大事です。
与論島の子どもたちが設置した、拾い箱には海ごみだけを入れるようにしてください。
与論の海を守りたい。きっとあなたはまたこの海を見に戻ってくる。小学生が作ったエコなパンフレット紹介。
サンゴ礁を守る取り組み
与論島だけでなく、世界規模でサンゴは減りつつあります。
与論島では、サンゴをこれ以上減らさないように守っていくためにいろいろな取り組みをしています。
毎年、与論島ダイビング協会のメンバーを中心にサンゴが海底を覆っている割合を調べています。
また、サンゴを食べる生き物の調査も行っています。
オニヒトデやシロレイシガイダマシといったサンゴ食害生物と言われる生き物たちです。
与論島では、1912年頃にオニヒトデが大量発生し、多くのサンゴが食べられてしまったようです。
今はまだ、新しいサンゴは回復できていないのですが、食害生物の数は、調査時に発見されないほど減っているそうです。
ちょっと安心ですね。
また、リーフチェックと言われるボランティアダイバーによる、サンゴ礁の様子を調べる調査も行われています。
サンゴ礁を調べるチーム、サンゴ礁に住む生き物を調べるチーム、岩場や砂地に住む生き物を調べるチームに分かれて活動しています。
リーフチェックは、1年に1度、5月の第3土曜日に開催されています。
他にも、
与論町役場に集まるふるさと納税のお金を『サンゴ礁基金』として利用し、『サンゴ礁と共生する環境の保全に関する事業』が行われています。
NPO法人海の再生ネットワークよろんが、この事業でサンゴ礁を守る活動をしています。
船がアンカーを投げ入れた場所にサンゴがあると、サンゴが傷ついてしまうので、これを防ぐために、アンカーを投げなくてすむように係留ブイの設置もされるようになりました。
減殺は、ウドノス海岸沖とアイギ浜沖の2ヶ所に設置されています。
また、『海謝美うんじゃみ』というボランティアグループや与論町役場環境課による、砂浜のごみ拾いも行われています。
先ほども紹介した、拾い箱も活用してください。
今からでも、サンゴ礁のために自分たちができることは
今からでも、自分たちにできることをまずは身近なことから始めましょう。
赤土が海に流れていかないように、根を強く張る植物を植えましょう。
海にいる生き物のことを知り、海で遊ぶときは、サンゴを傷つけないように努力しましょう。
魚や貝など、捕ってもいい期間は決まっています。きちんとその期間を守り、必要な分だけ捕るようにしましょう。
ペットボトルなど自然にかえるのに時間がかかるものはなるべく使わないように心がけましょう。
生活排水の影響を減らすために、油汚れはふき取ったり、なるべく自然に近い洗剤等を使いましょう。
海をよく知るひとと海に行きましょう。
新型コロナウィルスも流行して、地球がおかしくなっているときです。
みんなで力をあわせていけるといいですね。
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