与論島 離島医療にせまる③~家で死ぬということ~

こんにちは。

はなアンニャー(@hanadeso3)です。

2017年7月終わりにあった出来事。

与論島では当たり前の『家で死ぬ』ということに直面したので、その時のことを書こうと思います。

 

与論島の在宅死については、与論島の離島医療~病院に霊安室がない~でも書いておりますが、今回はリアル体験談です。

 

目次

最期まで病院には行かなかったじーちゃん

 

じーちゃんが亡くなって、あれよあれよと一週間以上がたちました。

先日、家族だけでやる10日祭りも無事に終わりました。

最初は、じーちゃんを亡くしたさみしさと疲れで、みんな放心状態でしたが、今はいつもと同じように生活しています。

今回、じーちゃんは最後の何ヵ月かはまったく病院には行かず、月に一回程、お医者さんと看護師さんに家に来てもらい診察してもらうという訪問診療というスタイルをとっていました。

おかげで、最期まで大好きな家で過ごすことができました。ありがたいことです。

これは、本人の希望でもあったし、世話をする奥さんの希望でもありました。

この希望が叶えられたことは、とてもよかったと思います。

 

与論島の在宅医療はお金のためじゃない。

 

現在、医療費がかかりすぎて大変なことになってる日本では在宅医療がすすめられています。

あ、でも、与論島の在宅で診療を受けている人たちが、医療費削減のために在宅医療受けてるわけじゃないですけどね。与論島の在宅医療は、医療費の問題ではなく、本当に本人が希望し、それを家族も望んでいるということです。お金の問題ではありません。

あくまで医療費を減らしたいのは国全体の話。

個人的な理由は、純粋に病院に行けない、病院が嫌いという理由が多いですね。うちのじーちゃんもそうでした。

あと、家族がじーちゃんばーちゃんをすごく大事にしてる、家で最後までみたい。という家庭も与論島は多いです。すばらしいですよね。

100歳越えて、寝たきりだけど、わりと元気で入院まではしなくとも大丈夫なじーちゃんばーちゃんもけっこういます。100歳越えても歩いてるひともいますけどね。

でも、家で寝たきりの人を見るには一緒に暮らす家族が必要です。お世話を手伝ってくれるヘルパーさんもいますが、年がら年中家にいるわけでもない。これはしかたがないこと。

100歳越えてるひとの配偶者はまた高齢で、その子どももだいぶ歳をとってる、若いなら若いなりに外で働かないと暮らしていけないから家にいられない。

高齢者社会。

老老介護。

問題山積み。

 

うちのじーちゃんの嫁さんは、ばーちゃんではあるけども、じーちゃんよりだいぶ年下だったので、まだなんとか体力的に自宅介護できたんだと思います。大変だったと思いますが。

亡くなる何日か前に会いに行ったとき、ばーちゃんがご飯を食べさせたり、痰を吸引したりするのを見て、こりゃ、大変だなとあらためて思いました。これを1日何回もやりながら、自分のこともしないといけないんだな~、今のわたしにはムリだわ・・・

将来、自分にもできるだろうか?無理じゃね??と、しみじみ、ムリだ~と思ったわけです。

在宅医療は、本人もそうですが、家族の覚悟と体力が重要になります。

 

与論島のじーちゃんをしのぶ。

 

話は変わって、

葬儀が終わったあと、雑用がたまりまくっていたので、それを消化するためにいろんなところに行く機会がありました。

このとき、どこかに行くたんびに、会う人会う人が、「あんたんとこのじーちゃんはあーだった、こーだった・・・」という話をしてくれるです。

どうやら、じーちゃんは人気者だったようだ。

★どこに行くにも、ぴしっとしてワイシャツを着ていた。病院に行くときも、畑に行くときも、牛の世話をするときまでワイシャツ。とにかくおしゃれだった。

★話するのが上手で、いつも冗談ばっかり言ってみんなを笑わせていた。

そして、みんなが最後に必ず言うことがある。

ぴっと、小指を立てて、

★とにかくコレ、女が好きだった。

なんと、じーちゃんは自他共に認める、超絶プレイボーイだったようなのです。みんなが、口を揃えて言うから間違いない。

でも、みんなに愛されるじーちゃんだったのだな・・・としみじみと再確認することができました。

わたしが、知ってるのはここ最近の10年間の姿だけなので昔の話、いろいろ聞けると嬉しいもんです。

みなさま、ありがとうございまする。

 

与論島の高齢化社会はどうなる?

 

今、与論島は老人ホームや介護老人保険施設が満杯で入りづらくなっています。

病院から家以外の行き先がなくて、困っている人がけっこういます。何も治療することないのに、病院にも長くはいられないし。

わたしは、政治家でもないし、正直、医療制度についても、お金のことや保険についても全然わからない。

与論島の将来なんて、想像もできない。

 

在宅医療て、簡単に言うけど介護する人も老人だからキツイよ、老老介護の問題→だったら子どもが見たらいいじゃんとなると、今度は仕事はどーすんだ??ってなる→嫁がやれば?はぁ?男女平等、女も働きたい。男だけの稼ぎじゃ生活できない→老老介護するしかない→最初に戻る。

という、嫌~な無限ループに陥りそうなやっかいな問題だな、と今回見てて思いました。国の政策、矛盾だらけか?どうすりゃいいんでしょう?

こんな家族を大事にする、与論島でさえもこんなに問題山積みなのに、日本全体でどうやっていくんだろう・・・

 

在宅医療を望むなら、

夫婦だけの家で、在宅医療するなら年の差カップル!

もしくは、二世帯住宅。

・・・うちはどっちもできんと断言できます!!

難しい問題ですねぇ。さて、日本のエライ人はどうするんでしょう・・・

 

当たり前であってほしい幸せな最期

 

うちのじーちゃん、自分の家で、しかも肺の病気だったのに全然、息苦しくもなく眠るように亡くなった最期はほんとに幸せだったのではないかなぁと思います。

家族みんなに見守られながら・・・最高じゃないですか!

希望したとおり、最期まで家で過ごすこともできました。それを叶えてあげた家族もすごい。

これが当たり前の最期であってよかったな・・・

なんとゆーか、年齢も90歳こえていたというのもあるかもしれませんが、本人も家族も後悔しないで時間が過ぎたような気がします。

お葬式も、これまで見たことないくらいたくさんの人が来てくれたし、きっと若い頃から人気者だったんでしょうね。

人徳やね。

はなアンニャー
あ。わたしは、なんにもしとらんですよ。

わたしも、ひとには迷惑かけたくないと思いながらも、やっぱり最期まで自分の家におりたいと思う。

なんなら、病院行きたくない。

自分が望む最期を迎えられる、それが当たり前の世の中、希望します!!!!

 

 

 

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

【人見知り与論島全力案内人】 22歳、初めて訪れた与論島に運命を感じて、26歳で山口県から与論島に移住→そのまま、結婚してかーちゃんになっちゃった!! ワイン大好きぴちぴちのアラフォー薬剤師。 与論島の旅行や移住、田舎暮らしについてブログで全力発信中。 ツイッター、インスタグラムもやっています。